発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)
以前は“先天性”といっていましたが必ずしも先天性ではなく、生まれてから発症、進行することもあるので今は発育性股関節形成不全と言われるようになりました。発育性股関節形成不全は股関節(足の付け根の関節)がはずれる病気です。1000人に1~3人と元々まれな病気ですが、抱っこの仕方やおむつの当て方などを注意することにより発生をさらに減らし、悪化を防止できます。
これらに当てはまるお子様は特に正しい扱い方(抱っこなど)を心がけてください。
複数が当てはまる人は特に注意です。
- 向き癖があり反対側の脚がM字開脚とはならない
- 女児(男児より関節が柔らかいため)
- 家族に股関節の悪い人がいる
- 逆子(骨盤位)で生まれた
- 寒い地域や寒い時期(11月から3月)に生まれた(脚を伸ばして衣服でくるんでしまうため)
クリニックでは以下のことに注意しながら診察をし、精密検査をする対象をみきわめています。
- 股関節開排制限
- 大腿(ふともも)や鼠径(脚の付け根)の皺の左右差
- 女児
- 家族歴
- 骨盤位分娩
1があれば精密検査、2~5の2つ以上あれば精密検査。
2は判断が難しい場合があり、人の体は正常でも左右に差はあるので「深い皺」がある場合に左右差と考えます。
精密検査は通常、整形外科で行います。
抱っこの仕方やおむつの当て方はこちらのパンフレットを参考にしてください。
(日本整形外科学会、日本小児整形外科学会 作成)