メニュー

食物経口負荷試験

食物経口負荷試験について

 日本国内で統一された食物経口負荷試験(以下、負荷試験)の方法はなく、ガイドライン等を参考に各医療機関が独自の方法で負荷試験を行っているのが現状です。医師が複数人いる大きな病院ではある程度リスクのある負荷試験を行えるかもしれませんが、クリニックでは極力リスクを減らすべきと私は考えています。
当院ではリスクを減らすために一度の負荷試験で1回だけ摂取する1回法での負荷試験を行っています。例えば卵を1g食べて30分後に今度は3g食べる2回法では、もしかしたら卵1gを食べて40分後にアレルギー症状が出る人に対して40分経たないうちに3gというもっと多い量を食べることでより強いアレルギー症状を起こしてしまうことになるかもしれません。
もちろん2回法にすることで一度の負荷試験でたくさんの量を食べられるかもしれないというメリットはありますが、当院ではそのメリットよりも安全性を重視しています。卵アレルギーの人が卵1個を食べられることは最終的な目標ではありますが、急いでそれを目指す必要はないと考えているためです。

 以下は、当院で実施している食物経口負荷試験の具体的な流れです。どのように行っているかご参考にしてください。何を(卵ならばゆで卵?卵黄?卵白?など)をどれくらい(何gくらい)負荷するかは今までのアレルギー症状を詳細に伺って上で保護者の方と相談しながら決定します。

食物経口負荷試験の流れ

  1. 今までの症状や血液検査の結果を参考にリスク評価を行います。アナフィラキシー(強いアレルギー症状)を起こしたことがある方は安全に配慮し病院へご紹介させていただきます。
  2. 当院で食物経口負荷試験を行う場合は、自宅から食べる物や食器を持参していただきます。
  3. 9時30分に来院していただき、食べる量を医師と一緒に計測した上で(はかりは院内にあるので持参は不要です)診察室で食べていただきます。
  4. その後は個室で1時間程度経過を見て、症状があれば必要に応じた治療を行い、症状がなければ今後の方針を相談して終了です。
  5. 当院では安全に配慮して1回の負荷試験で1回の摂取を基本とし、複数日負荷試験を行うことで食べられる量を増やしていきます。
    例:全卵炒り卵2gで負荷試験を行い症状なし→その後は自宅で1gの炒り卵または同等の加工品を摂取→1か月後に5gで負荷試験→その後は自宅で5gを上限→1か月後に10gで負荷試験。
    負荷試験で症状が出た場合は、症状が出ない程度に自宅で摂取を続け、6~12か月後に再度負荷試験を行う。
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME