メニュー

おたふくかぜ

目次

原因

 ムンプスウイルスというウイルスに感染することで発症します。「流行性耳下腺炎」や「ムンプス」も「おたふく風邪」と同じ病気を指します。

症状

 2~3週間の潜伏期を経て発症し、片側あるいは両側の唾液腺の腫脹が特徴です。典型的には突然の耳下腺(耳の下方のあたり)と痛みで発症し、片方から始まり1~2日後に反対側も腫れますが、約4分の1は片側の腫れで終わります。腫れのピークは1~3日で、その後3~7日かけて軽快します。微熱、頭痛、倦怠感を伴うことが多いですが、時に高熱になります。

 おたふく風邪そのものよりもおたふく風邪に続発する合併症が重要です。0.1~0.25%と頻度は少ないものの、難聴を合併することがあり、永続的な障害となります。思春期以降では精巣炎、卵巣炎を合併することもあります。他に髄膜炎や膵炎などを合併することもあります。

 他のウイルスによる耳下腺炎や反復性耳下腺炎も似た症状を起こします。反復性耳下腺炎は耳下腺腫脹を何度も繰り返すもので、軽度の自発痛があるが発熱を伴わないことがほとんどで、1~2 週間で自然に軽快します。

診断

 おたふく風邪が周りにいて、典型的な症状(片方の耳下腺の腫れの後に反対側の腫れ)があればおたふく風邪が疑わしいですが、流行がない場合の片側の耳下腺の腫れをおたふく風邪と診断するのには根拠が弱く、血液検査で抗体(ムンプスウイルスに対する免疫ができているか)を見ないと確定できません。血液検査の結果がわかるまでは1週間近くかかるため、結果が出る頃には症状が良くなっていることがほとんどです。

治療

 ムンプスウイルスに対する治療法はなく、対症療法が基本です。発熱や痛みに対しては解熱鎮痛薬を用います。酸っぱい食べ物やよく噛まないといけない食べ物を食べると唾液腺が刺激されて痛みが出るため避けます。治療法がないため予防が重要となり、ワクチンがその唯一の方法です。

こんな時は受診を

 頭痛が強く何度も嘔吐する時、強い腹痛や睾丸の痛みがある時、1週間経っても腫れがひかない時などは受診してください。

家庭内の感染対策

 ムンプスウイルスは飛沫感染するのでマスクなどの飛沫感染対策が大切ですが、効果が最も高い予防方法は予防接種です。2022年6月現在、おたふく風邪の予防接種は定期予防接種になっておらず自費での接種になってしまいますが、1歳時と6歳時の合計2回の接種をお勧めします。

登園・登校のめやす

 耳下腺、顎下腺、舌下腺の腫脹が発現してから5日経過し、かつ全身状態が良好になっていること

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME