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おむつ部皮膚炎

 その多くはいわゆる“おむつかぶれ”です。おむつ部が汗でむれたり、尿や便が刺激になったりして、おむつ部の皮膚がかぶれます。尿や便をした後になるべく早くおむつを交換して予防することが大切です。かぶれがひどい場合は、おしりを拭くだけでも痛く、拭くことが皮膚への刺激になってしまうため、ぬるま湯で流してあげると良いです。皮膚に尿や便が直接当たらないようにこまめに軟膏(亜鉛華軟膏Ⓡ、プロペトⓇ、アズノールⓇなどのステロイドではないもの)を塗ると良いですが、それでも治らなかったりひどい場合はステロイド軟膏を使うこともあります。
 おむつかぶれと紛らわしいものに、カンジダ皮膚炎があります。カンジダという真菌(カビ)が人の腸の中に常在(悪さをしていないで住んでいること)しており、便の中にも含まれています。このカンジダは高温多湿の環境で繁殖しやすく、おむつ部の皮膚で繁殖して皮膚炎を起こした状態をカンジダ皮膚炎と言います。カンジダ皮膚炎の治療には抗真菌薬(カビをやっつける薬)の軟膏が必要で、ステロイド軟膏はかえってカンジダ皮膚炎を悪化させてしまいます。なかなかよくならない(あるいはひどい)おむつかぶれではカンジダ皮膚炎との区別が重要です。目で見て“カンジダっぽい”、“ぽくない”というのはあるのですが、正確に診断するには、皮膚を少し擦って顕微鏡で見る必要があります。試しにカンジダを疑って抗真菌薬を使うこともありますが、抗真菌薬のせいで皮膚がかぶれてしまうことがあること、抗真菌薬を使い始めた後だと顕微鏡で見てもカンジダが一見いないように見えてしまい元々カンジダ皮膚炎ではなかったから良くならないのか、カンジダ皮膚炎なのに抗真菌薬のせいでかぶれてしまっているから良くならないのかの区別が付かなくなってしまいます。このことから、院長は「カンジダ皮膚炎を疑う場合はできれば皮膚科で顕微鏡で見てもらってから治療する」のが望ましいと考えています。ひどいおむつ部皮膚炎でも、見た目が“カンジダっぽくない”のであれば顕微鏡を見ないでステロイド軟膏を使うことは良いと思います。

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