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乳児血管腫

 盛り上がった赤いアザで、以前は「イチゴ状血管腫」と呼ばれていました。生まれた時には存在していないか、小さな病変のみ存在しますが、生後2週間頃から目立つようになり、生後5.5~7.5週頃で急速に増大し、生後5か月頃までにピーク時の80%の大きさに達します。ピークを過ぎると自然に小さくなり、いずれ消失します。消失する年齢の中央値は3歳で、25~68%の人に皮膚萎縮や瘢痕などの後遺症が残るというデータがあります。

自然に小さくなるのを待つか積極的に治療をするかを選ぶ必要がありますが、機能面や潰瘍、出血、将来的な整容的な問題を起こす可能性があるかどうかを以下のようにスクリーニングし、治療に進むべきかを考えていきます。通常は小児科クリニックでは治療しませんので、対応できる専門施設にご紹介をさせていただきます。

チェックポイント① 可及的速やかにご紹介したい患者

  • 合併症(潰瘍、出血、哺乳困難、喘鳴(ぜいぜい))を伴う乳児血管腫
  • 多発型(5か所以上)の乳児血管腫
  • 増殖が急激な乳児血管腫
  • 皮下腫瘤があり、皮下型の乳児血管腫が疑われる
  • 頭頚部、乳頭・乳糖周囲、手足、関節周囲、陰部・肛門およびその周囲、腰部を含むおむつに覆われる部位にある乳児血管腫(整容上の問題、機能上の問題、潰瘍、出血のリスクが考えられるため)

チェックポイント② 経過観察可能な患者

  • 月齢6か月以上
  • 乳児血管腫の長径1cm未満
  • チェックポイント①に当てはまらない

専門施設をご紹介させていただいた方がいい場合

チェックポイント①のいずれかに当てはまる方。

チェックポイント②のすべてに当てはまる方以外。

を専門施設ご紹介させていただくというのが目安です。なお、クリニックなど非専門医から乳児血管腫診療に経験豊富な医療機関に適正に患者さんを紹介することを目的にしたチェックポイントなので、状態により必ずしも紹介先で治療が行われるものではないことにご留意ください。

参考 株式会社 マルホホームページ 乳児血管腫患者紹介ガイド

https://www.maruho.co.jp/medical/pdf/hemangiol/guide.pdf

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