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夜尿症

夜尿症とは

 5歳を過ぎても付き1回以上で3か月以上続くおねしょを夜尿症と言います。一般的には小学生になってもおねしょが続く場合に治療が行われます。夜尿症の治療は大きく分けて、①生活習慣の改善、②薬物療法、③アラーム療法があります。

夜尿症の治療① 生活習慣

 薬物療法やアラーム療法を始める前にまずは生活習慣の改善を行います。それでも夜尿症が改善しない場合に、次のステップとして薬物療法やアラーム療法を行います。当院を受診された方についても、まずは生活習慣で改善すべき点がないかを洗い出して、実践してもらって変わりがなければ次のステップに移ります。

  1. 規則正しい生活(早寝、早起き、決まった時間の食事)
  2. 水分の摂り方の注意(朝食や昼食時は水分を十分に摂り、午後からは控える。夕食はできるだけ就寝3時間前までに済ませ、夕食後は200mL程度の水分に留める→我慢できなければ氷を食べて満足感を得るのもよいでしょう)。
  3. 塩分を控える(夕食では塩分の多い味噌汁や漬物は控えるなど)。
  4. 必ず寝る前にトイレに行く(ささっと排尿を終わらせるのではなくきちんと尿を出し切る)。
  5. 夜間に起こさない。夜更かししない(夜間に起こして排尿させたり夜更かしすることにより抗利尿ホルモンが出づらくなります)。
  6. 体を冷やさない(寒い季節は腹巻や靴下など)。
  7. 便秘があれば一緒に治療する。
  8. 叱らないこと、ペナルティを与えないこと。夜尿がない日は褒めてあげることも大切です。夜尿がない日が続いた場合にちょっとしたご褒美を上げるのもよいでしょう。

夜尿症の治療② 薬物療法

 ミニリンメルト®(抗利尿ホルモン:尿量を減らすホルモンの薬)が効果と副作用の点からまず使われます。舌の下に入れると唾液で溶けるのでそのまま水を使わずに飲んでください(水と一緒に飲むと効果が弱くなります)。就寝の30分~1時間前に内服してください(30分前よりも1時間前の方がより有効です)。ただし食後30分以内は飲まないでください(腸からの薬の吸収が妨げられ効果が弱くなることがあります)。水分制限を守らないでミニリンメルト®を飲むと体に水分が過剰になる水中毒になりえるため、夕食後の200mLまでの水分は必ず守って内服してください。また、発熱や胃腸炎の時など水分補給が必要な際は内服を中止し、十分な水分を摂るようにしてください。
 ミニリンメルト以外に漢方や抗コリン薬という薬を使うこともありますが、効果や副作用の点で、ミニリンメルトで効果が得られない場合は、ミニリンメルトの量を増やしたりアラーム療法をお勧めしています。

夜尿症の治療③ アラーム療法

 アラーム療法は、専用の機械をご自宅で購入あるいはレンタルしてもらって始めます。申込書を当院でお渡しできます。専用のオムツを使うタイプ(ピスコール®)と自分のパンツを使うタイプ(ウェットストップ®)があります。

 膀胱に尿がたまると収縮して排尿しますが、眠っている時に排尿すると困るので脳の命令でそうならないようにヒトはしています。その脳の命令がしっかりと働いていないと夜尿につながります。夜尿がある度にアラームが鳴ることで、脳はアラームが鳴るのが嫌なのでそうならないように脳の命令が徐々に強化されます。そうすると次第に膀胱にためられる尿の量が増え、夜尿が治っていきます。夜尿の回数が少ないとアラームがあまり鳴らないため効果が乏しく、週に3回以上夜尿がある人が対象です。夜に家族が起こして排尿させることは、膀胱に尿がたまりきる前に起こして排尿することになるためアラーム療法と似ているようで全く異なります。

薬物療法とアラーム療法のどちらを選ぶか

 ミニリンメルト®は尿を減らして夜尿を起こさせない治療ですので比較的早く効果が出ますが内服を止めると夜尿が再燃しやすいです。そのため急に止めるのではなく、飲む回数を減らしてから止めていきます。アラーム療法は1万円程度の費用がかかることと、効果が出るまで時間がかかる(数か月程度)ことが多いのが欠点で、大変さから中断してしまう人もいますが、膀胱にためられる尿の量を増やすことができるため、再燃は少ないとされています。夜間の尿の量が多いタイプの人はミニリンメルト、膀胱にためられる尿が少ない人はアラーム療法が向いているというのがありますが、どちらを選ぶかは保護者の方やお子様ご自身の考え方です。薬の副作用が嫌だからアラーム療法がいいという方もいれば、アラームで夜に起こされるのが嫌という方もいますので、当院で治療のアドバイスをさせていただき、最終的にどちらにするかは保護者の方やお子様に決めていただいています。

お役立ち情報

 アワジテック社のピスコール®の説明ホームページ

 ウェットストップ3の販売代理店株式会社MSDのホームページ

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