アレルギー性鼻炎|いちかわ真間こどもクリニック|市川駅、市川真間駅の小児科・アレルギー科

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アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎|いちかわ真間こどもクリニック|市川駅、市川真間駅の小児科・アレルギー科

原因

アレルギー性鼻炎の原因で多いのは花粉(主にスギ花粉)とダニです。スギ花粉は2月から本格飛散し4月まで多く飛散し、アレルギー性鼻炎の症状や目の痒みを伴います。ダニは生きたダニが悪さをするわけではなく粉々になったダニの死骸のカケラや糞がアレルギー性鼻炎の原因になります。ダニは一年中室内にいますが夏に繁殖し、秋にダニのカケラが増えるため、ダニのアレルギー性鼻炎がある人は、一年中症状がありますが、秋に症状が強くある傾向があります。

症状

くしゃみ、鼻水、鼻詰まりが主な症状です。鼻炎症状により集中力が落ちたり、夜の眠りが浅かったり睡眠不足になったりと、大人の場合は仕事の能率が悪くなり、子どもの場合は授業に集中できなかったりするのでしっかり対応することが必要です。

診断と検査

スギの季節に鼻炎症状や目の症状がある場合はスギ花粉症が疑わしいですし、一年中鼻炎症状がある場合はダニによるアレルギー性鼻炎が疑わしいですが、その証拠として血液検査でスギやダニのアレルギーがないかどうかは見ておきたいところです。また、鼻水をかんでもらって鼻水を検査することで好酸球というアレルギーの際に鼻水の中に増えてくる細胞があるかどうかもアレルギー性鼻炎を診断する根拠の一つです。鼻汁の好酸球検査は、抗アレルギー薬を飲んでいると好酸球が出なかったり、飲んでいなくてもあまり感度の高い検査ではないので一度の検査ではわからないこともあります。

アレルギー性鼻炎や花粉症は予防することができる?

ダニや花粉を浴び続けることにより、ダニや花粉のアレルギーの体質となっていきアレルギーを発症します。後述するダニ対策や花粉対策が発症の予防にもなります(症状があり困っているわけではないのに対策を継続するのはなかなか大変ですが・・・)。
腸内細菌がアレルギー疾患や他の疾患に影響を与えるという研究報告が多くあります。乳酸菌やビフィズス菌など腸内に良い影響のある菌などのことを指す「プレバイオティクス」、オリゴ糖やデキストロースなど腸内細菌を変化させて良い影響を与える「プロバイオティクス」、それらを組み合わせた「シンバイオティクス」の研究がさかんに行われています。しかし、腸内細菌が重要ということまではわかっていても、何をどのようにどれくらいに摂取すれば病気の発症予防の効果が得られるかはわかっておらず研究の途上のようです。その他の食品やビタミンなどについてもアレルギー性鼻炎を始めとするアレルギー疾患の予防に有効であるというエビテンス(科学的根拠)は現在も得られていません。

治療

治療は抗原(ダニやスギ花粉などの原因物質)の除去と回避、内服薬、点鼻薬で症状を緩和することが中心です。
ダニ対策の基本は掃除機がけと寝具の管理です。絨毯や布製ソファーをなくしてダニの生息時期を減らしたり家具を整理して掃除機がけをしやすくしましょう。布団は天日干しや布団乾燥機でダニを死滅させた後に掃除機がけをしましょう。床の掃除機がけは週に1~2回、1m2につき20秒以上が目安です。
スギ花粉対策は、花粉情報に注意し飛散の多い時の外出を控えたり窓を閉めておく、外出する時はマスクやメガネを着用する、けばだった衣類は花粉が付着しやすいため避ける、帰宅時には衣類や髪をよく払って部屋に入り洗顔やうがい、鼻かみをする、などが大切です。
アレルギー性鼻炎は大きく鼻漏型(鼻水が垂れる)、鼻閉型(鼻の粘膜が腫れたり鼻水により鼻が詰まる)、充全型(鼻漏と鼻閉の両方があるもの)に分類されます。鼻漏型なのか鼻閉型なのかによって合う薬が異なり、いくつかの薬を併用する場合もあります。ステロイド点鼻薬は鼻漏にも鼻閉にも有効です。症状の種類や程度に応じて医師と相談しながら治療薬を選択しましょう。

舌下免疫療法

従来は、ダニやスギによるアレルギー性鼻炎、花粉症は、抗ヒスタミン薬の内服やステロイドの点鼻などで症状を緩和することが治療の主でした。皮下免疫療法という注射薬による免疫療法もありますが、毎月注射をしなければならないことや、注射によるアナフィラキシーのリスクを伴うことから一部の専門病院でしかやっていない治療でした。そこで登場したのが舌下免疫療法です。1日1回舌下内服することで、ダニやスギのアレルギーを根本的に治すことができます。従来の薬でも症状が良くならない人にまずお勧めの治療です。
日本ではアレルギー性鼻炎ではない気管支喘息だけの人に対しての舌下免疫療法は認められていませんが、ダニの舌下免疫療法が気管支喘息にも有効という報告は多数あることや海外では気管支喘息の人にも実施されていることから、気管支喘息とアレルギー性鼻炎の両方がある方にもお勧めです。

スギ花粉は1月から飛び始めてちょうど受験シーズンに本格化するため、例年この時期に症状がつらく勉強に集中できない方は、受験する年の1~2年前程度からスギの舌下免疫療法を始めておくことで、万全な体制で試験に臨むことができます。当院は小児科クリニックですが、お子様が舌下免疫療法をやる場合は保護者の方も一緒にできるようにしています。親子一緒に治療をすることで継続するモチベーションが上がり親子のコミュニケーションのきっかけにもなります。