便秘
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便秘
便の回数が週に3回よりも少なかったり、いきんでいるのに便が出てこない場合、便が出ていても排便時に痛みや出血がある場合は便秘と考えます。また、便が腸にたまり過ぎると、ちょっとの便が漏れ出ることがあり、これも便秘です。便秘が続いて治療が必要な状態を便秘症と言います。
便秘の人は、たまった便により直腸(肛門の上の腸の出口)が広がり、直腸のセンサーが鈍くなることで便意を感じづらくなり、ますます便がたまるという悪循環になっています。「直腸が普段は空っぽ、直腸に便が下りてきたら排便してまた空っぽにする」という規則正しい排便習慣にすることで、鈍くなった直腸のセンサーを正常にします。薬はその手助けをするものです。悪循環が十分に改善されないまま薬を止めてしまうとまた悪循環に陥ってしまうため、規則正しい排便習慣が確立してから薬を減らしたり止めたりしていきます。
便塞栓(肛門の出口付近で硬い便が通り道を塞いでいる状況)がありそうな時は浣腸をして便塞栓を除去するのが基本です。その後、必要に応じて内服薬を使います。当院では2歳以上の子はモビコール®を効果や副作用の観点から一番にお勧めしています。2歳未満の子は、マルツエキスや整腸剤、マグネシウムを用います。
赤ちゃんの肛門に綿棒刺激をして排便を促すことがありますが、毎回綿棒刺激をして排便するという状況が続くと条件付け(条件反射)により“綿棒刺激をしないと排便しないクセ”が付いてしまうという説があります。時々綿棒刺激を行うくらいは全く問題ないと思いますが、毎回綿棒刺激をして排便しているようであれば一度受診し、相談していただくのがよいと考えます。
ご飯を食べると腸が刺激され便意を催しやすくなります。またリラックスして副交感神経が働くことも便意につながります。朝ごはんを食べた後にすぐに登校・登園するのではなく、起きてから時間がたってないまだリラックスした状態でしっかりと排便時間を確保してみてはいかがでしょうか(朝時間がない方は夜でも構いません)。食事内容も大切で、食物繊維を多く含んだ、野菜、果物、海藻、豆類、芋類などが便秘の人に適しています。
排便時の姿勢も大切で、和式トイレでの姿勢が排便に良いとされています。洋式トイレの場合は、足がお尻の高さに近くなるくらい高めの足台を置くことがお勧めです。
足がしっかり床につくことで踏ん張ることができることと、姿勢(“考える人”の姿勢が良いとされます)により恥骨直腸筋が緩み、直腸と肛門が真っすぐに近くなり、排便しやすくなります。子ども用補助便座を使うことでさらに安定し、便が出やすくなります。
乳児の離乳食開始後、幼児のトイレトレーニング期、学童の通学開始期に便秘になりやすいと言われています。離乳食が始まると便が形づくようになり、赤ちゃんはいきんで排便する力が未熟なので便秘になりやすくなります。
幼児期になると自分の意志で排便を我慢できるようになります。そのため、排便すると肛門が痛い、トイレトレーニングに失敗すると怒られる、トイレが怖い、など排便に対して嫌な気持ちが芽生えると排便を我慢するようになり便秘になります。便秘になると便がより固くなり排便時の痛みが強くなるためさらに排便を我慢するといった悪循環にいたります。そのため、無理にトイレトレーニングを進めていくことは便秘の原因になったり便秘を助長することになるため避けてください。
学童になると朝に十分な排便の時間がなかったり、学校で好きな時間に排便できなかったり、学校で排便することが恥ずかしくなったりが理由で便が溜まったり排便を我慢してしまい、便秘になりやすくなります。