停留精巣、移動性精巣、包茎
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停留精巣、移動性精巣、包茎
赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時は、精巣は赤ちゃんの陰嚢の中ではなく赤ちゃんのお腹の中にあります。それが生まれてくる前に陰嚢の中に下りてきます。男の子で陰嚢の中に精巣がない(おなかの中にまだある)状態を停留精巣、陰嚢の中にあったりおなかの中に移動したりする状態を移動性精巣と言います。おなかの中は陰嚢内よりも温度が高く温度が高いところにずっと精巣があることが精巣に良くないと言われています。
健診では男の子全員に陰嚢内にきちんと精巣があるかを触って診察します。停留精巣は比較的早く(1~2歳頃)に手術が必要ですが、移動性精巣は成長と共に精巣が陰嚢内に固定されることもありもう少し成長するまで経過をみることが多いです。
停留精巣と移動性精巣の区別が難しい場合もあり、健診の際に判断に迷う時は、大切なことですので小児外科にご紹介しています。小児外科や小児泌尿器科の先生の方が精巣を見つけるのが上手なので、特に問題がなければしばらく定期的に経過観察となることも多くあります。
おちんちんの先を包む皮膚(包皮)の辺縁が狭いために、おちんちんの先(亀頭)を出せないものを真性包茎と言います。真性包茎は治療をしなくても成長とともに自然に治ることが多く、新生児ではほぼ100%が真性包茎ですが、乳児では約80%、幼児では約60%、小学生では約30%と減っていき、思春期ではさらに頻度が少なくなります。
自然によくなることが多いということもあり、真性包茎の治療を赤ちゃんや子どものうちから積極的にするか否かについては賛否があります。当院は治療をしない派です。以前に小児泌尿器専門の先生と話した時に「おちんちんを雑菌から守るために皮があるんだからそれを無理に剥く必要はない」と教わり納得したからです(専門の先生の間でも考え方の違いはあるのだと思います)。
治療を行う場合は、包皮(おちんちんの皮)の先端にステロイド軟膏を毎日塗ることで包皮の皮膚を薄くし少しずつ剥けるようになるようにしていく方法と、手術を行う方法があります。自宅で剥く際は、剥きすぎて元に戻らずおちんちんが包皮に締め付けられてしまう嵌頓包茎の危険があり、むやみに包皮を剥くことをお勧めしていない理由の一つです。
亀頭包皮炎(包皮やおちんちんの腫れや痛み)を繰り返す、尿路感染症(膀胱炎や腎盂腎炎)を繰り返す、排尿障害(おしっこをする時に包皮におしっこがたまって膨らむバルーニングがあったり,おしっこが細くしか出ない)などの時には治療を考えます。