小児科一般
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小児科一般
子どもの咳や鼻水の原因の多くはウイルス感染による風邪です。抗生物質は細菌に作用するもので、ウイルスには効きません。
では、何を目的にクリニックを受診するかというと、風邪と風邪以外の病気の区別を経過や診察で見極めることです。風邪の咳に隠れた喘息のゼイゼイや、鼻水が多いと合併してくることがある中耳炎や副鼻腔炎などの有無、抗生物質での治療が必要な溶連菌のような喉をしていないか、風邪がこじれて細菌感染らしくなってきていないかを診察することが大切です。
風邪の症状を緩和する薬を処方させていただきますが、薬を飲むことで早く風邪が治るわけではありません。しかし、痰や鼻汁の切れを良くする薬(ムコダイン®、ムコサール®など)は鼻内に鼻水を溜めないようにすることで中耳炎や副鼻腔炎を起こしづらくさせる可能性があり、当院では好んで処方しています。
咳がひどい時はお子様も見ている親御さんもつらいですので、咳止めの薬(アスベリン®やメジコン®など)を処方させていただきますが、大人で使うような強い薬(麻薬系のコデインなど)を子どもに処方することはできないため、残念ながらすごく良く効くというわけではありません。胸の音を聴診器で聴いた時にゼイゼイ、ヒューヒューを認める場合や喘息の体質がある人には気管支拡張薬やステロイドが有効ですので、必要に応じて使用します。
必要に応じた種類/強さのステロイド軟膏で治療を行っています。ステロイド軟膏を用いた後に状態が比較的落ち着いている時などはステロイド軟膏以外にプロトピック軟膏®やコレクチム軟膏®、モイゼルト軟膏®を用いることもしています。当院では日本アレルギー学会や日本皮膚科学会のガイドラインに準じた治療をしていますので、脱ステロイドの方針は取っていません。
トイレトレーニング前に便秘がひどいと排便が嫌いになりトイレトレーニングが進みません。また、排便が自立した後も便秘の習慣があり便秘の悪循環に陥ると良くなるまでに時間がかかってしまいます。排便時に痛い/痛そう、便が常に固くて出づらい、便に少量の血液が付着する、などは治療が必要な便秘です。
いわゆる「おねしょ」です。薬などを用いて積極的に治療を始めるのは小学1年生になってもおねしょが続いている場合です。おねしょはお子様の自尊心を損なうことにつながりますし、早期に治療を始めた方がより治療効果が得られやすいという報告もあるため、おねしょで困っている方はご相談ください。来院するのがちょっと恥ずかしいという方でも受診しやすいようにオンライン診療も行っています。
子どもの熱性けいれんはそれほど珍しいものではありませんが、けいれんが長く続く場合や、けいれんが止まった後の意識の覚めが悪い場合は心配な状況です。けいれんが5分以上続く場合はけいれんが長引く可能性があるので、救急要請してください。
子ども特有の病気で診断や対応には小児科医が一番慣れています。発熱に伴って、眼球の充血、体の発疹(または、BCGを打ったところの赤み)、唇の赤み、指のむくみ、首のリンパ節の腫れのうち複数があれば川崎病が疑われます。早期の治療が必要になるため必ず受診してください。川崎病と診断されたら入院での治療が必要です。
解熱剤、塗り薬、点眼薬、点鼻薬の使い方のコツについて解説しています。
迷った時には受診していただければ当院でできる範囲の診療をさせていただき、必要に応じて適切な診療科や規模の医療機関をご紹介いたします。どの科を受診するか迷われた際は以下をご参考にしてください。
アトピー性皮膚炎や蕁麻疹(じんましん)、おむつ部皮膚炎、伝染性膿痂疹(とびひ)は小児科の守備範囲です。白癬(水虫)や皮膚カンジダ症(治療を行ってもおむつ部皮膚炎の治りが悪い時など)では皮膚をこすって顕微鏡で見る検査をしてきちんと診断することが大事なので皮膚科の受診が望ましいと考えています。伝染性軟属腫(みずいぼ)かどうかの判断はできますが、摘除は行っていません。みずいぼを取るべきかについては賛否があります。
ごく軽度の火傷に対して軟膏を処方することはできますが、火傷をきれいに治すには皮膚科や形成外科が望ましいと考えており、応急的に診させていただいた後は早めに皮膚科や形成外科を受診することをお勧めします。
耳垢がなければ急性中耳炎や外耳炎の診察、治療を行えますが、耳垢取りはできないので耳垢が多い場合は耳の中の観察できず耳鼻咽喉科への受診をお勧めする場合があります。
結膜炎(白目やまぶたの裏の炎症)や眼瞼炎(まぶたの外側の炎症)に対して、抗生物質やアレルギーの点眼薬や眼軟膏を処方していますが、症状が強い場合は眼科受診をお勧めしています。ステロイドの点眼薬は副作用の懸念があること、流行性角結膜炎(はやり目)は角膜の炎症が強く出ることから、眼科受診が望ましいと考えています。
発育性股関節形成不全(以前は先天性股関節脱臼と言っていましたが必ずしも先天性ではないのでこのように呼ばれるようになりました)について診察は乳児健診時に全員に行っていますが、疑われた際の詳しい検査や治療は整形外科が専門になるためご紹介しています。
肘内障(腕を強く引っ張ってしまった後に痛がり腕を動かさなくなった)の整復はしていますが、手を付いて転んだり腕をぶつけたりした状況では骨折の可能性があるため整形外科による診察や検査が望ましいと考えています。骨折や怪我は当院の守備範囲外です。